被曝・診療 月報 第23号 「被曝と帰還の強制反対署名」を拡げよう

この号の内容

1、『被曝と帰還の強制反対署名』を広げよう
2、第26、27回県民健康調査検討委員会を傍聴して
3、肥田舜太郎先生を追悼します
4、原子力産業における2件の放射線被曝事故
5、福島の現状
6 3.12シンポジウム参加者の感想文

「被曝と帰還の強制反対署名」を拡げよう

  ふくしま共同診療所院長 布施幸彦

はじめに
昨年11月からふくしま共同診療所や動労福島などの諸団体で「被曝と帰還の強制反対署名」を行っています。
署名の提出先は福島県知事で、要求項目は以下の4項目です。
①被曝の影響を認め、甲状腺検査の全年齢への拡充および、検診・医療。充実を図ることを求めます。
②法令で定める一般住民の年間lmSvの被曝限度以下になるまで、賠償や支援を続け、帰還を強制しないことを求めます。
③「自主避難者」への住宅補助などの保障の継続と拡大を求めます。
④すべての原発事故被災者に、行政の責任において避難および保障を保証することを求めます。

これまでに全国で3万5千筆以上の署名が集り、それを福島県に提出し、県と4回直接交渉を重ねてきました。私たちが何故この署名を始めたか、そして何をしたいのかを述べたいと思います。

甲状腺線検査に関して
当診療所は、2012年より福島市で甲状腺エコー検査を行ってきました。福島県では事故後6年間で放射能汚染により小児甲状腺がんが191人と多発しています。福島県は子供たち全員を対象に甲状腺エコー検査を行ってきましたが、昨年から甲状腺エコー検査を自主検査に縮小し、いずれ中止しようと目論んでいます。
福島県立医大の緑川早苗準教授は学校での子供向けの出前授業で「がんが見つかったら嫌だと思う人は、甲状腺検査を受けない意思も尊重されます」と話しています。
昨年12月には県立医大副学長山下俊一氏らが、県知事に「甲状腺検査縮小」を求める提言書を提出しています。それだけでなく、発表されている小児甲状腺がんの数は実は嘘だということもわかりました。
小児甲状腺がん患者を支援している「3.11甲状腺がん子ども基金」は3月31
日に、「事故当時4歳の男児(現在10歳)に療養費を給付した」と発表しました。
この男児は、2014年の甲状腺検査で経過観察(保険診療)となり、2015年に穿刺細胞診で悪性と診断され、2016年前半に福島県立医大で甲状腺摘出手術を受けてがんと確定しています。
この症例に関して福島県県民健康センターは、「2月20日の発表には該当される方はいない。県民健康調査の二次検査で『悪性ないし悪性疑い』となった方のみを検討委員会で報告しているので、経過観察後にがんになった子供は報告していない」と回答し、県立医大も[保健診療移行後に見つかったがん患者は、センターでは把握していない]と述べ、データを公表しなかったことについて「県や検討委員会が決めたルールに従っているだけ」と釈明しました。
経過観察となった人は、1巡目(先行検査)1260人、2巡目(本格検査)1207人、3巡目56人で計2523人。この子らから経過観察中に甲状腺がんが見つかり手術しても、県民健康調査の資料には載らないことが明らかになりました。この件で判ったことは、
①。今まで発表されたがん総数191人は嘘で、実はもっと多いこと。
②二次検査でがんを疑っても、保険診療後に細胞診を行えば、資料には載らなくなる。つまり恣意的にがん患者数を調整出来ることです。

6月5日に行われた県民健康調査検討委員会では、環境省が音頭を取って、IAEAやICRPのメンバーが参加する放射能による健康被害を検討する第三者機関の設置が提案されました、彼らは嘘の小児甲状腺がん患者数を基に、「最初は多かったが、検査毎に減っているのだから、スクリーニング効果だ」と主張して、甲状腺エコー検査を縮小・中止しようとしています。

県内外の避難者への帰還の強制に関して

事故後十数万人が県内外へ避難しました。これまで福島県は「自主避難者」に対し住宅手当の補助を行い、避難先の自治体も県営住宅の提供などの便宜を図ってきました。
しかし、国が避難指示区域を次々に解除し、それを受け福島県は2017年3月で住宅補助の打ち切りを決めました。
それだけでなく、昨年から都道府県の自治体の職員と福島県の職員が県外避難者の自宅を回って「帰還するよう」に説得工作を行いました。
東京都の場合、都職員・区職員・福島県の県・市職員の4人が自宅まで訪問し、「住宅補助の打ち切りと都営住宅の便宜の中止」を通告し、「都営住宅に住みたければ、都に移住し、都営住宅に応募するよう」に話しています。県内の仮設住宅や借り上げ住宅に避難している避難者に対しても、「除染を行った」として年間50 mSv に及んだ高汚染地域の自宅に帰そうとしています。
今年3月31日、4月1日には居住制限区域まで解除され、約3万2000人が帰還の対象となりました。多くの人々は高汚染地区に帰ることを拒否し、このまま仮設住宅や借り上げ住宅に住みたいと思っています。しかし仮設住宅の期限は今年3月まで。このままでは彼らは高汚染地区に帰るしか道はありません。
避難指示の間は、固定資産税等の税金の免除が行われていました。しかし解除となれば、自宅へ帰ろうが帰るまいが固定資産税や光熱費等の徴収が始まります。
浪江町では、2018年から50%、2021年から100%の固定資産税が取られるため、約2000軒が更地になろうとしています。そして東電から出ている精神的賠償金も打ち切られます。
避難指示が解除された故郷に帰りたいという気持ちはよく分かります。 終の棲家として帰りたい人が帰ることはいたし方ないと思います。
しかし、子どもに放射能による健康被害を生じさせないために、困難な生活を覚悟し県内外へ避難した家族に、経済的困窮を強制することによって、放射能汚染の地へ帰そうとする政策は間違っています。彼らには避難する権利があります。
今までに避難指示が解除された地域の住民は1割も帰っていません。そこで楢葉町と南相馬市小高区では、4月から学校の再開を強行しました。楢葉町の町長は、楢葉町に帰ってこない町職員に対して「昇給と昇格はさせない」と宣言しました。また学校が再開されれば、教職員とその家族も高汚染地域に行かなければなりません。自治体職員とその家族も高汚染地区に帰らなければなりません。だから福島県では自治体職員の自殺者が増えているのです。
署名運動の目的に関して、私たちは単純に署名が集まれば、県が動くと思っているわけではありません。
全国で行われた「住宅補助打ち切り反対の署名」は、約20万筆集まりましたが、国や県は無視しました。
署名を集めるだけではダメなのです。署名を県に持って行き、県に圧力をかける。そういうことを繰り返し、署名運動を媒介にして県町村職員、教職員の人たちを立ち上がらせる署名です。
原発事故の一切の責任は国と東電にあります。国と東電に県内外の避難者の生活の保障、健康の保障をさせましょう。各都道府県で、県外の「自主避難者」とつながって、守る運動をおこしましょう。各都道府県の知事・市町村長や職員組合に働きかけましょう。彼らに動いてもらわないと、「自主避難者」を守れません。
私たちは、県内の避難者を守るために、県内の自治体職員や県教組に働きかけます。彼らを説得し立ち上がってもらい、避難者を守ろうと思っています。

一何故国や県は甲状線査縮小・帰還の強制をしようとしているのか

安倍政権は何故、状腺検査縮小・帰還の強制をしようとしているのか。安倍首相は「原発事故は終わった」と原発の再稼働を行い、2020年までに常磐線を開通し、50mSvに及んだ居住制限区域を含めて解除し、高汚染地域に住民を帰そうとしています。
その一環として甲状腺検査縮小もあります。もし甲状腺検査をこのまま続けて小児甲状腺がんが今後も増えていけば、そして県内外の避難者の多くが高汚染地区に帰らなければ、「原発事故が終わった」ことは、嘘だと世界中の人々にも分かってしまいます。そうなれば、安倍首相は「放射能はアンダーコントロール」と言って東京オリンピックを誘致したのですから、2020年に行おうとしている東京オリンピックは出来なくなります。
先に行われた国会では、東京オリンピックのために「共謀罪」は必要だと言い出し、「共謀罪」を成立させました。それだけでなく、2020年には憲法9条の改憲を行うと宣言しました。東京オリンピックを「成功」させることで、改憲まで行おうとしています。
福島原発事故の「収束」こそがすべての鍵なのです。だから、この「被曝と帰還の強制反対署名」運動が全国で爆発し、福島原発事故は終わっていない、これからが本番なのだ、ということが、日本中にそして世界に広まれば、東京オリンピックは出来なくなります。そうなれば安倍政権は終わり、日本が変わります。それを信じて「被曝と帰還の強制反対署名」を行っていきたいと考えています。

№ 22 特別号 「3.12 被曝・医療 福島シンポジウム」 報告集

目 次

〈はじめに〉第2回 被爆・医療 福島 シンポジウムの呼びかけ … 1
第2回シンポジウム実行委員長/ふくしま共同診療所名誉院長 松江寛人

コーディネーターのあいさつ 国分寺市 本町クリニック院長 杉井吉彦… 2

放射性微粒子暴露原因説で解ける銀縛被爆者における健康リスクのパラドックス… 4
――フクシマの皆さまへの提言―― 広島大学原爆放射線医学研究所 大瀧 慈

韓国の原発周辺における疫学調査… 11
前原子力安全委員会委員/反核医師の会運営委員/東国大学医学部教授
キム・イクチュン

いま私たちがしなければならないこと…… 15
放射能から子どもたちを守る全国小児科医ネットワーク代表 山田 真
被爆の強制とたたかいの最前線から ふくしま共同診療所院長 布施幸彦 … 20

会場からの発言 … 24
庄野ファーム 大越良二
国鉄水戸動力車労働組合副委員長 高野安雄

ビデオレター…… 26
核戦争防止国際医師会議 ドイツ支部会長代行 アレックス・ローゼン

質疑応答 …… 27
1 会場から提出された質問書にたいする回答
2 シンポジストの相互討論
3 会場からの質問

〈寄稿〉今、何がフクシマに問われているか …… 33
やまぐちクリニック院長/現代医療を考える会代表 山口研一郎

参加者のご感想…… 35

韓日国際シンポジウム報告
国分寺市 本町クリニック院長 杉井 吉彦… 36

資料 《被爆と帰還の強制反対署名》福島から声を上げよう!
職場・学園・地域で集めよう …… 41


【発行所】 ふくしま共同診療所
〒960-8068 福島県福島市太田町20―7 佐周ビル1 階
(TEL)024-573-9335  (FAX)024-573-9380
(メール)fukukyocli@ark.ocn.ne.jp
【編 集】 本町クリニック事務局
〒185-0012 東京都国分寺市本町2-7-10 エッセンビル2 階
(TEL)042-324-9481  (FAX)042-400-0038
(メール)suzuki@honkuri.com
【頒 価】 650円
(銀行口座) みずほ銀行 国分寺支店
普通 4282013
名義 『被曝・医療月報』


ビデオレター

核戦争防止国際医師会議 ドイツ支部会長代行
アレックス・ローゼン

今日は、アレックス・ローゼンと申します。福島の原発事故は6年前のことでした。日本政府と原子力産業は、事故を克服したと信じ込ませようとしています。しかし原発事故は今も続いています。福島県民だけだなく日本全国の人々が原発事故の影響を受けて暮しています。いまなお、10万人以上のもの人々が全国に避難して暮しているのです。
放射能で汚染された故郷に帰れないからです。原子炉内の放射線量は信じられないほど高く、人間が数分以内に死に至る数値です。
2月に福島県立医大が最新のデータを公表しました。この6年間で甲状腺がんが爆発的に増えています。事故の放射能で直接的に引き起こされた病気です。184人の子どもが甲状腺がんと診断されています。145人が手術を受けました。そして甲状腺がんが摘出されたのです。38人の子どもたちは、まだ手術待ちの状態です。
ここ2年間で見ると10万人に8.1人の割合で甲状腺がんが発症しています。しかし、通常日本では10万人に対して0.3人です。つまり、27倍になるのです。今後、この数は激増すると考えられます。
原子力産業は、これをスクリーニング効果のせいだと主張しています。しかし、2年前の検査で異常がなかった子どもにも甲状腺がんが次々と見つかっています。検査を行っている福島県立医大は最早中立的な科学機関とはいえません。IAEAから資金援助を受けているからです。IAEAは核エネルギー開発のための機関です。福島県立医大の緑川教授は、県内の学校を回って出前授業を行い「意味のないがん検診」は拒否できると説明し、検査の縮小を狙っています。これは、原発事故の影響を過小評価しようと意図しているからです。政府と原子力村が強く後押ししています。
事故で汚染されたゴミの問題も深刻化しています。汚染土壌は福島県内にあふれかえり日本全体にとって重大な問題になっています。核のゴミをどう処理すべきか、解決策がないからです。南相馬市などで実証実験が行われ公共工事に使用される土砂の放射能汚染の基準を1キロ当り3000~8000ベクレルへ引上げました。道路や防波堤などの公共工事にこれを適用することは、住民に新たな放射能被害をもたらすばかりでなく未来の世代と環境に途方もない危険をもたらします。100ベクレルというもとの基準に戻すべきです。
でも、暗い状態の中にも、光があります。福島原発事故後にいくつかの団体が設立され、核エネルギーに反対してクリーンで安全で健康な未来のためにたたかっています。
地元でも福島にふくしま共同診療所があり、いわき市に放射能市民測定所あり、私たちはそれらの活動を支援しています。最近では、日本の著名な医師や科学者たちが、福島原発事故の規模について調査しています。たとえば、岐阜環境医学研究所が日本の子どもたちの乳歯中のストロンチウム濃度の研究をしています。これもIPPNWドイツ支部が強く支援しています。
今日は、お話の機会をいただき、ありがとうございました。本日のシンポジウムの成功をお祈りしています。

あとがき
*シンポジウムでも触れられていますが、「フクシマ」の状況は過酷で悲惨なものです。シンポジウムの開催が、微力ながらも「実状と解明」に一歩でも迫るものとなったと思っています。
*4月1日より「避難指示解除」が反対の行動を無視して強行されました。今こそ「避難・保養・医療」の原則が、福島県民の「命と健康を守る」重要な指針となって行かねばならないと思います。
*今村復興大臣の「自己責任」暴言は、安部政権の意思そのものです。怒りに堪えません
*シンポジウムで語られた「実状と解明」は国際的事業です。ドイツ、台湾に続いて韓日の人々がまさに「共同」して、原発廃絶に向かって進まねばならないと思います。
*シンポジウムに協力・協賛していただいた皆さんに、深く感謝・御礼申し上げますとともに
この報告集を活用していただけるよう願ってやみません。

被曝・診療 月報 第21号  韓日国際シンポジウム 原発と健康~日本のふくしまと韓国の原発周辺

福島原発事故後の健康被害と
韓国原発による甲状腺がんの実情  
ふくしま共同診療所院長 布施幸彦

左からイ・ホンジュ氏(博士/女性医院院長)杉井氏 布施氏 ペク・トミョン氏〔ソウル大学教授〕大腰良二氏

1月18日(水曜日)に韓国の国会構内にある議員会館第二小会議室に於いて、「原子力発電折と健康~日本のふくしまと韓国の原発周辺」と題する韓日国際シンポジウムが行われました。私と本町クリニック院長杉井吉彦医師と福島の甲状腺がん患者の大越良二さんが参加しました。

主催は、「反核医師の会」、「脱核エネルギー転換国会議員の会(共に民主党・国民の党・正義党の3党)」、「脱核エネルギー教授の会」、「脱核法律家の会ひまわり」です。
東国大学医学部のキム・イクチュン氏の司会で、主催団体の祝辞が続き、私とペク・トミョン教授(ソウル大保険大学院)、イ・ポンジュ医師氏の講演と大越良二さんのお話(「証言」)がありました。その後パネルディスカッションが行われました。杉井医師もパネラーとして発言しました。

参加者は158人程度で、当初主催者は50人位と考えていたとのことなので、非常に関心が高いことが示されました。シンポジウムは同時通訳で行われました。インターネットで同時配信もされ、ユーチューブにもアップされました。マスコミは7~8社が取材に来ており、翌日のニュースに多数取り上げられました。韓国での福島原発事故への関心の高さがうかがえます。その理由は韓国の原発事情にあります。

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被曝・診療 月報 第20号

「第2回被曝・医療福島シンポジウム」開催に向け、
ご賛同をお願いします

来たる2017年3月12日に、「第2回被曝・医療福島シンポジウム」を、上記「シンポジウム開催要領」のとおりで開催いたします。その成功のために、ご協力・ご賛同を頂きたく、ご配意の程、よろしくお願い致します。
1.11東日本大震災と、福島原発事故から、5年半を経過しました。2年前、私達は「被爆・医療シンポジジウム」を福島市で行い、福島の被曝の状況と、健康被害の実情、とりわけ小児の甲状腺がんの増加につき、公開の場で、多くのシンポジストと県民の共同作業として、「避難・保養・医療」の重要性と今後の方向性を真剣に語り合い、「福島県民の健康を守りぬこう」との共通認識を、端緒的ながら確認できたと思っています。以来2年を経過した福島の現状は、さらに危惧された状況が進んでいます。

① 小児甲状腺がんは増加の一途をたどり、チェルノブイリで見られた「事故後4~5年後からの増加」の段階に達しています。検診・検査の重要性が決定的となってきています。
それに対して、「県民健康調査検討委員会」は、依然として「被曝の影響ではない」と根拠のない主張を続けています。さらに県小児科医会の「健診デメリット論」の「要望」を受けるかたちで、甲状腺検査の「縮小・希望制」への変更(結果的には打ち切り)が進められようとしています。許しがたい事態です。

② 9万人を超える県内外避難者に対して、段階的に高汚染地域への「避難指示」が解除されつつあります。多くの人々は帰還を拒否しています。更に、自主避難者に対する補助の打ち切りを2017年3月と宣言しています「安全・安心」と称して、避難者の経済的困窮を強い、帰還=被曝・健康被害を強制する政策が進められています。憂慮すべき事態です。
③ 放射線による健康被害の実情と解明は、福島の地において、さらなる論議を深める時期に来ています。長期の被曝、とりわけ内部被曝の医学的解明・検討を深めることが、「県民の命と健康を守る」ことに寄与すると考えます。これらの状況を踏まえて、第2回目のシンポジウムを2017年3月12日(日)に、福島の地で開催したいと思います。「安全・安心・帰還・復興」のキャンペーンの下、健康被害、生活破壊、被曝強制が進む現状に抗して、ともに考え、論議を尽くそうではありませんか。
シンポジウムヘの参加を切にお願いいたします。またシンポジウムの成功に、協力・支援をお願いいたします。

2017年1月5日

第2回シンポジウム実行委員長 ふくしま共同診療所名誉院長 松江寛人

  呼び掛け人
*元放射線総合研究所医学主任研究官元国会事故調査委員  崎山 比早子
*放射能から子どもたちを守る全国小児科医ネットワーク代表   山田 真
*ふくしま共同診療所院長      布施 幸彦
*ふくしま共同診療所医師      平岩 章好
*ふくしま共同診療所医師        湊    明


この号の内容

1. 「第2回被曝・医療福島シンポジウム」開催へ

2. 福島における「非合理ながん診断」一県立医大はどのように彼ら自身の調査をサボタージュしているか–ノーベル平和賞受賞団体 IPPNW(核戦争防止国債医師会議) 原子力通信2016年8月号

3. 第25回健康調査検討委員会についての報告—ふくしま共同診療所事務長 須田 儀一郎

4. フクシマの放射能汚染‥「年20mSVを下回れば人は住めるか」–南相馬。避難勧奨地域の会事務局長 小澤 洋一

5. 「3.11甲状腺子ども基金」を設立しました–『原子力資料情報室通信』第509号から抜粋

被曝・診療 月報 第19号

今こそ、小児甲状腺エコー検査の充実を!

ふくしま共同診療所院長 布施幸彦

① 検討委員会の縮小=廃止方針に県民から異議

本年7月3日の福島県小児科医会総会で「甲状腺検査事業においては被ばくの影響とは考えにくいものの、‥・多数の甲状腺がんが発見されており健康不安の一因となっており、…子どもの健康を守り、不安を軽減する」ために、検査や治療の現状を縮小の方向で再検討するべき、とした声明を採択し県に要望した。それを受けて、検討委員会の北斗座長は「9月にも、甲状腺検査の対象者縮小や検査方法の見直しを視野に入れた議論に着手する」と福島民友新聞社の取材に明らかにし、
(1)18歳を超えた県民を今後も検査対象にするべきか
(2)受けない選択を難しくしているとの指摘がある学校での集団検診の方法を改めるべきか
―などの論点について議論を始めるとみられた。
しかし、「3.11甲状腺がん家族会」の「過剰検診のデメリットはない、規模の拡充を」の申し入れや「甲状腺検査の縮小」に反対する多くの県民の声が県に寄せられた。9月14日に行われた県民健康調査検討委員会では、県民の声に押された検討委員会の委員の多くが「今後も少なくとも10年は継続すべき」と主張したため、今回は見送りとなったが、星座長は「検査の在り方について今後も議論を進める」と検査の縮小の議論を継続することを表明した。 “被曝・診療 月報 第19号” の続きを読む

被曝・診療 月報 第18号 

2016.10①県内外避難者の帰還の強制に反対し、全国で避難者を守る大運動を起こそう。

               ふくしま共同診療所院長  布施 幸彦

imageはじめに
8月28日山形県で福島県から自主避難している828人が「住宅支援の延長を求める会」を発足させた。会は、「福島県知事との対話・住宅支援の延長実現・全国の避難者との協力」を掲げて活動する。
9月8日で楢葉町の避難指示が解除されて1年が経過したが、帰った人は約1割でほとんどが高齢者。来年の4月にはこども園と小中学校が再開予定だが、園と学校に通う意向の子どもたちは16%に留まっている。若い人や小さな子どもがいる家族は、避難指示が解除されても高汚染地域には帰りたくないのだ。

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バックナンバー 2016~14年

 №18
2016. 10.1
 №17 2016. 8.1  №16 2016. 6.1  №15 2016. 4.1  №14 2016. 2.1
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2014. 8.1
 №4
2014. 6.1
№3
2014. 4.1
 №2
2014.2.1
№1 2013,12,1  リンク

№17 2016.8.1 小児の健康と命を守り、甲状腺検査の更なる充実と拡大を 杉井 吉彦

№17

№16 2016.6.1
「甲状腺ガン増加を宣伝 報道ステーションの罪」(週刊新潮)を批判する

№16

№15 2016.4.1 「避難・保養・医療の原則」で医療・行動することが大事 杉井 吉彦

№15

№14 2016.2.1
本当に放射能の影響はないとする立場の診療でいいのか 院長 布施幸彦

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№13 12.1 今こそ「避難・保養・医療」の原則を

№13

№12 2015 10.1 2年間で小児甲状腺ガンは発生する 布施 幸彦№12

 

 

 

 

 

 

 

 

№11 2015.8.1 鈴木教授の「県民健康調査」からの退任の意味すること 杉井 吉彦

№ 11

№10〈特別号) 2015 3.8 被曝・医療 福島シンポジウム報告集

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№9 2015,4.1 被曝・医療福島シンポジウム開かれる

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№8 2015 2.1 12.25の福島県民調査(甲状腺検査)を批判するimg_0008

№7 2014.12.1
放射線による非がん性疾患 ―老化の促進に関連して
高木学校 崎山 比早子

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№6 2014.10.1 甲状腺エコー検査から見えてきたもの (第2報) 松江 寛人

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№5 2014、8,1 緊急対策の一つとして「安定ヨウ素剤」備蓄・服用の進め

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№4 2014.6.1
早野氏らによるWBC測定ー医の心を捨てた「内部被曝ゼロ」の公式記録づくりー

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№3 2014,4,1
甲状腺に関する血液検査の結果報告

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№2 2014,2,1
私なりに当診療所のやるべきこと

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№1 2013,12,1
甲状腺検査から見えてきたもの 第一報 松江 寛人

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Fukushima Collaborative Clinic Monthly Bulletin Vol5

Criticism of the 15th Prefectural Oversight Committee Meeting for Fukushima Health Management Survey

July 10, 2014

f2671_05_01aYukihiko Fuse

The 15th Prefectural Oversight Committee Meeting for Fukushima Health Management Survey was held on May 19, 2014. The committee released the results of the Thyroid Ultrasound Examination including Aizu district (refer to the following table). One thing that became evident in this announcement is that there are regional disparities for the incidence of childhood thyroid cancer.

The radioactivity measurements were carried out in Fukushima City, Koriyama City, Shirakawa City, Aizu-Wakamatsu City, Minami-Aizu City, Minami-Soma City and Iwaki City from March 11 to March 31, 2011. The measurements were, needless to say, not for radioactive iodine but for radioactive cesium, but the situation of the radioactive iodine that had been spread at the time of the nuclear plant explosion shall be deemed similar to the leaked radioactive cesium. Therefore I use the figures as a substitute for iodine.

The results are as follows:

In Minami-Soma, the maximum record was 20μSv/h on March 12 and then hovered at between 2 and 4μSv/h until it dropped to below 1μSv/h on March 31.

In Iwaki City, the maximum record was 22.72μSv/h on March 15 and then hovered at between 1 and 3μSv/h until it dropped to below 1μSv/h from March 29. (The record passingly increased again to 18μSv/h on March 16 and 6μSv/h on March 21.)

In Fukushima City, the maximum record was 24.24μSv/h on March 15 and then gradually decreased but still continued to keep high level of 2.94μSv/h even on March 31.

In Koriyama City, the maximum record was 24μSv/h on March 15 and then gradually decreased but still continued to keep high level of 2.6μSv/h even on March 31.

Shirakawa City was the only one that conducted the measurement from the very day of March 11. On March 11, the figure of the measurement was 0.05μSv/h but it became to the maximum record of 7.70μSv/h on March 15 and then gradually decreased to below 1μSv/h on March 27.

In Aizu-Wakamatsu City, the maximum record was 2.57μSv/h on March 15 but decreased to below 0.6μSv/h on March 17.

In Minami-Aizu City, the maximum record was 1.08μSv/h on March 15 but decreased to below 0.3μSv/h on March 16.

The above results turn out to be the following facts;

1.Minami-Soma City was affected by the Fukushima Unit 1 Explosion on March 12 and other cities were affected by the Fukushima Unit 2, 3 and 4 Explosion on March 14 and 15.

  1. Fukushima City and Koriyama City were exposed to high level of radiation compared to other districts and it lasted for a prolonged period.
  2. While on the other hand, Aizu district has been little-affected by radiation.

Looking at the incidence of childhood thyroid cancer by districts, the radiation dose closely correlates with the incidence. The Aizu district was exposed to the low radiation dose compared to other districts and only 1 child of Shimogomachi developed childhood thyroid cancer. The   incidence of Aizu district is 1 to 32,208 children. But in Fukushima City where the radiation dose was very high, the incidence in Nakadori is 1 to 2,898 children (about 11 times higher than Aizu district) and in Hamadori, 1 to 3,577 children (about 9 times higher than Aizu district).

 

7th Session of Expert Meeting Discussing Health Suport

On June 26, 2014, “7th Session of The Ministry of the Environment Expert Meeting Discussing Health Support After the Fukushima Nuclear Accident” took place and the Specially Appointed Professor to Director of Fukushima Medical University, Otsura Tanba, stated as follows;

“I have been studying biology of radiation accidents for quite a long time. As I have been carrying out merely experimental carcinogenesis and cellular analysis in mouse, I have very limited knowledge of radiation protection. But referring to the  incidence, I can say that there would be no development of cancer in a place with a low radiation dose. It is a hard fact. Cancer may develop stochastically, but I think that there is no development of cancer in a place with an immeasurably low radiation dose. It is just the same in Hiroshima and Nagasaki.”

There are very few cases of childhood thyroid cancer in Aizu district because the radiation dose was very low.

 

Defective design of ultrasound examination

The second problem is that although the survey is claimed to be a “prefecture-wide inventory survey,” the subjects of the thyroid ultrasound test are only around 80% of the target population, because of flawed design of the Fukushima Prefecture government’s ultrasound examination. The examined were the only people who were able to go to the designated school buildings or gyms on designated dates and time where the ultrasound examination were conducted by some very limited medical institutions—the Fukushima Medical University and some major hospitals; around 20% of the target population could not get the examination at the fixed time and place.

In order to improve this defective survey design, it is indispensable to let all the medical institutions in Fukushima participate in the survey and to make it easy for all the target population to receive ultrasound examination at their neighboring institutions. In Belarus, the exposed to radiation have been still receiving ultrasound examination once in six months since the Chernobyl disaster 28 years ago. Not just children, but adults must be examined. Long-time observation is needed through their entire lives.

It is impossible for the FMU and some major institutions in Fukushima alone to deal with such challenges. Comprehensive initiative with participation and support of the entire medical institutions in Fukushima is definitely needed.  Also the Judging Panel that has been conducted solely by the FMU must include various medical institutions.

 Lymph node metastases already found

At the session of the Thyroid Examination Evaluation Subcommittee on June 10, 2014, a member of the subcommittee, Kenji Shibuya, professor at the Tokyo University, raised a question: “Don’t you consider the 51 thyroid surgery over-diagnosis and over-treatment (if these cases are attributable to the ‘screening effect’, and the optimum approach to them is wait-and-see.)?”

“Only those who really need it are cytologically diagnosed,” the FMU professor Shinichi Suzuki replied. “The detection of malignancy or suspected malignancy in our cytodiagnosis … does not mean that we performed so-called over-diagnosis and over-treatment. As for cytodiagnosis (of a 5 to 10 mm nodule), we recommended such diagnosis for children who had strongly suspected malignancy. In the case of a 5 to 10 mm nodule, we resected it only when it was highly malignant. Then, lymph node metastasis was detected in almost all of such cases. We did not unnecessarily resorted to resection only because patient was a child. Metastasis was clinically clear. Patients with a hoarse voice must be treated.” He explained that the surgeries were conducted based on the clinical appearance.

Previously, Professor Suzuki had underscored thyroid cancer’s good prognosis and slow progression.  If it were the case, a wait-and-see policy without any surgery would suffice, as remarked by Professor Shibuya. Professor Suzuki, however, conducted aspiration biopsy cytology for 437 persons because it was really needed. There was urgent necessity of 51 surgeries because of lymph node metastasis and other pathological conditions.

Despite as many as 51 thyroid cancer surgeries, the Fukushima Prefecture and the central governments insist that there is no health effect of radiation but the screening effect resulted in this figure, citing child thyroid ultrasound examination in three prefectures—Aomori, Yamanashi and Nagasaki. They reported that the result of the three-prefecture examination has no significant difference compared with that of Fukushima because 4,365 subjects were examined by ultrasound in the three prefectures and 2,368 (56.5%) were judged as A2 and 44 as B, in which 31 who gave consent were further examined by aspiration biopsy cytology and 1 case of child thyroid cancer was detected.

In Fukushima, 1 child thyroid cancer case was found in around 5,700 subjects. If there is no significant difference in the incidence rates all around the country as stated by the Fukushima Prefecture and the central governments, they must face with 1 in 4,000 or 6,000 children in all over Japan to whom they have to give thyroid cancer surgery. In fact, it is well known in the field that the overall child cancer incidence in Japan is 1 in 10,000. Their assertion logically implies that there are far more child thyroid cancer patients who need surgery than all kinds of child cancer cases. If the government still insist that Fukushima’s figure is not the result of the radiation exposure, they must immediately conduct ultrasound examination of all children around Japan.

(1)295,551: total examinees  (80.2%) out of the target population/ 287,056: assessed examinees (97.1%) out of total examinees
 “A1” assessment  “A2” assessment “B”
assessment
“C”
assessment
148,182 children

(51.6%)

136,804 children

(47.7%)

2,069 children

(0.7%)

1 children

(0%)

(2) number and percentage of the children who have either nodules or cysts
nodules

5.0 mm or smaller

nodules

5.1 mm or larger

cysts

20.0 mm or smaller

cysts

20.1mm or larger

1,578 children
(0.5%)
2,051 children
(0.7%)
137,077 children (47.8%) 12 children
(0%)
(3) out of 2,070 children who got “B” or “C” assessment, 1,754 actually received secondary examination (84.7%)
certified examinees “A1” assessment “A2” assessment Those who need medical care
1,598 children (91.1%) 97 children
(6.1%)
438 children
(27.4%)
1,063 children
(66.5%)
(4) out of 1063 children who need medical care, 437 received aspiration biopsy cytology(41.1%)
(5) the total number of confirmed or suspected malignant cancer cases; 90 children (male 32, female58)
51 children were given surgery; 49 papillary cancer cases, 1 suspected poorly-differentiated cancer, 1 non-malignant nodular

age range at the time of the nuclear accident; 6 – 18 (average age of 14.7)

tumor size ranged from 5.1- 40.5mm(average size 14.2mm)

(6) out of 90 children, 34 could be estimated effective doses and 21 were not more than 1.0mSv(61.8%)
(7) regional breakdown of 89 confirmed or suspected malignancy cases
Nakadori region; 23 in Koriyama city, 12 in Fukushima city, 6 in Shirakawa city, 5 in Nihonmatsu city, 3 in Tamura city, 3 in Motomiya city, 3 in Sukagawa city, 2 in Kawamata town, 2 in Date city, 2 in Otama village, 1 in Nishigo village, 1 in Izumizaki village, 1 in Miharu town, 1 in Ishikawa town, 1 in Hirata village, 1 in Tanagura town

Hamadori region; 14 in Iwaki city, 2 in Namie town, 2 in Minami-soma city, 1 in Kawauchi village, 1 in Tomioka town, 1 in Okuma town

Aizu region; only 1 in Shimogo town

 

Fukushima Collaborative Clinic Monthly Bulletin Vol4(May,2014)

WBC Measurements by Ryugo Hayano et al.— Survey Team Threw Away Their Medical Conscience and Fabricated an Official Record: “No cimg2323Internal Exposure”

KATSUMA Yagasaki
Professor Emeritus at University of the Ryukyus Doctor of Science

fccmonthlybulletin_vol4 pdf

1. For what purpose do they measure internal exposure levels?
2. The actual condition of the survey
3.Urine Test
4. Danger of Clothes Exposure is Comparable to Internal Exposure
5. Who Protect the People?

Fukushima Collaborative Clinic Monthly Bulletin Vol3(Mar,2014)

Report on the Results of Thyroid Blood Tests

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AKIYOSHI Hiraiwa
Physician at the Fukushima Collaborative Clinic

The following is a summary of the test results of the examinees of both thyroid ultrasound screenings and thyroid blood tests during thirteen months from December 1, 2012—the opening day of our clinic—to the end of December 2013. The summary is followed by some speculations regarding the results.

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